投稿日時 2016-02-08 23:40:04 投稿者 千年忍 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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黒の革手をした右手にあった煙管をグラスの横へ置き、グラスへ持ちかえてそれを口元へ運ぶ。 安い味だがここで一番上等のものがコレしか無い。 酒を愉しみに来ているわけでは無いので、グラスの中身が工業用アルコールでも特段驚きはしないが。 不釣り合いな安酒のグラスへ口をつけ、含み、さらりと喉へ流す。 喉の焼ける感触が懐かしくていやに心地良い。 『安酒でも構いやしないわよ、酔えればいいんだから』 懐かしい猫が頭のどこかで言う。 大昔の遺伝子合成で作られた戦闘用人工種で、人の姿の食肉目だった。 記憶の中の黒豹は、灰色の目でグラスの縁から刺すような視線を向けて来る。 ストレートの長い黒髪と白い肌の女。 今では珍しい外見的特徴が出ている個体で、艶やかな漆黒の長い尾を持っていた。 |
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